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ネーミングの造語テクニック

 ネーミングを開発するとき、避けて通れないのが新しい言葉を創る「造語」です。 特徴を説明するピッタリの言葉を探し出しても、既に商標登録されていることが多くネーミングとして使用できません。(1文字違も類似商標で使用できません)。
 商標登録可能なネーミングのことば探しは、落ち穂拾いと似ていて有力な言葉はすでに刈り取られ、落ちこぼれた言葉しか残っていません。そこで新しい言葉を「造語」し商標登録の可能性を拡げます。 難しそうですが、ほとんどの造語は幾つかのパターンに分けることができます。ここでは、それらの造語のテクニックを紹介します。

改めて「造語」のメリットをまとめると。

  ・商標登録の可能性が拡がる。
  ・限られた文字数で複数の特徴を表現できる。
  ・語感の良い言葉に作り変えることができる。
  ・文字数を少なくすることができる。

2つのキーワードを足し合わせて表現する造語法です。

2つのキーワードをそのまま足すのではなく、元の言葉の意味を保ちながら発音しやすいように文字をカットする造語法です。

キーワードに「語根」や「接尾語」をプラスする造語法です。

文字を並び替えて別の意味の言葉を創る造語法です。

アナグラム造語の一種です。文字を逆から並び換えると別の意味に変化する意外性のある造語法です。

文章を構成する頭文字をつなぎ合わせてネーミングする造語法です。

造語法ではありませんが、グローバル・ネーミングに有力なギリシャ語をローマ字(アルファベッド)に変換します。




プラス造語法(A+B=AB)

A B 造語結果 ジャンル
シー
(英)海
ガイア
(ギ神)大地の女神
シーガイア リゾート名
シッカ
(ラテ)乾かす
ロール
(英)役割
シッカロール ベビーパウダー
ダニ パンチ ダニパンチ 殺虫剤
シャワー メイト シャワーメイト シャンプー
AQUA ME AQUA ME
アクアミー
シャンプー
TOUGH MAN タフマン 清涼飲料水
MAY YOUNG MAY YOUNG
メイヤング
化粧品
マイ ペット マイペット 家庭用洗剤
日本語 化学 日本語の化学 書籍名 (岩松研吉郎著)

2つの特徴を表現するキーワードをそのまま足し合わせる造語法です。キーワードの選び方、組み合わせ方が大切になります。
 例えば鉄分、カルシウムを配合した飲料水のネーミング場合。
普通にプラス造語して「鉄分飲料」「鉄カル飲料」とすると意味は伝わるのですがイマイチ力強さが感じられません。 そこで鉄分「鉄」、カルシュウム「骨」をプラスして「鉄骨」とすると建築材料の鉄骨を連想。「丈夫」「強い」などを想像させるネーミングに変身しました。 「鉄骨」は飲料とはまったく関係のない意外な言葉です。飲むことはもちろん食べることもできません。 しかし、キーワードに「鉄骨」を選んだことでこのネーミングは成功したと言えます。
 意外なキーワードの組合せ、異なる分野の言葉に言い換えることがポイントです。そのためにはアイデア出しの段階で「駄目」「おかしい」という思い込みを持たないことが大切です

プラス造語法のポイント

・ 文字数の少ないキーワードを選ぶ。
・ 文字の響き(語感)の良いキーワードを選ぶ。
・ 意外性のある言葉を組み合せて印象を強くする。



減量造語法 (A+B=ab)

A B 造語結果 ジャンル
リンス シャンプー リンプー シャンプー
サラダ ドレッシング サラドレ ドレッシング
CONNECT (英語)接続する US (英語)我々に コネクタス パーソナル無線
サンテ (フランス語)健康 エール (フランス語)風 サンテール 健康食品
ぐっすり スリープ (英語)眠る グッスリープ  
(Good Sleepのダブルミーニング)
羽毛ふとん
rich (英語)豊か hair (英語)髪 リシェール 
RICHAIR(フランス語読み)
トリートメント
スキン ユートピア スキンピア 薬品
handy (英語)手頃で便利な camcorder (英語)ビデオカメラ ハンディカム HANDYCAM ビデオカメラ
ゴリラ クジラ ゴジラ 和製怪獣
ごはん パン ゴパン  GOPAN 家庭用米パン焼き器

減量造語法はプラス造語の結果、文字数が多くなる、語感が好ましくない、インパクトに欠ける造語結果に対して欠点を補う手法です。 2つのキーワードをそのまま足すのではなく、元の言葉の意味を保ちながら発音しやすいように文字をカットする造語方法です。 例えば「ゴジラ」のネーミング場合、強い動物の「ゴリラ」と、大きい動物の「クジラ」とをプラス造語して「ゴリラクジラ」とします。これではフヤけた弱々しい語感になってしまいます。そこで「リラク」の贅肉を削ぎ落とし「ゴジラ」とネーミングします。3文字中2文字が濁音で重々しい語感です。どう猛で巨大な怪獣のイメージをネーミングから 感じ取ることができます。ゴジラの制作スタッフが東宝の食堂でネーミングしたそうです。

減量造語法のポイント

・ キーワードの選びは、文字数は意識せず意味に重点を置いて選びます。
・ 減量した後でも元の言葉が解るように皆が知っている言葉を選びます。
・ コンセプトを上手に言い表している言葉同士をプラス造語します。
・ 造語結果から1文字づつ削除、試行錯誤しながら語感のよい言葉に造り変えます。


語尾変化造語法(A+接尾語≒A)

キーワード 接尾語 造語結果
Pet (英語)
ペット、愛玩動物
-y 
(可愛い物につく接尾語)
Pety ペティ
pretty (英語)
可愛らしい、可憐な
-ie
(愛称に使用する)
Prettie
プリティエ
act (英語)
行為、行動する
-plex
(いくつもの構成部分を持つ)
Actplex
アクトプレックス
楽しい (日本語)
満ち足りて愉快な気持ち
-ia
(ラテン語の複数形に付く接尾語)
Tanoshia
タノシア
素敵 (日本語)
素晴らしい
-ia (地名を表現する接尾語) Sutekia
ステキア
raffinare (イタリア語)
精製する、洗練する
-io
(継続、強度、イタリア語接尾語)
Rafio ラフィオ
media (英語) メディア -age (集合を表す) Nediage
メディアージュ
(施設名)
win (英語) 勝つ -dom (~の状態) Windom
ウインダム
(自動車名)

「減量造語」はコンセプトを表現するキーワードをつなぎ合せ、そこから文字を削る手法でした。 語尾変化造語法はキーワードに「接尾語」をつなぎ合せて造語する手法です。 コンセプトを表現するキーワードが誰でもが知っているやさしい言葉 なら、 分かりやすく覚えやすいネーミングにすることができます。
 しかし、やさしい言葉は既に商標登録されている場合が多く、 そのままではネーミングとして使用できる可能性はほとんどありません。 そこで接尾語をキーワードの後につなぎ合せることで元のキーワードのイメージを残しながら語感を整え、コンセプトを伝えることができます。 しかも商標登録の可能性が高くなるのが語尾変化造語法です。

語尾変化造語法のポイント

・キーワードに接尾語をプラスするので比較的簡単に造語できます。
・意味のある接尾語を接合することでメッセージ性が高くなります。
・キーワードの語尾を変えることで語感の良いネーミングに仕上がります。

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