ミネラルは身体に欠かせない栄養素であり、身体の多くの機能に関与しています。
カルシウムは、骨や歯の形成に必要なミネラルであり、筋肉や神経の機能にも関与しています。
不足すると、骨粗鬆症や歯周病のリスクが高まることが知られています。
ナトリウムは、体液のバランスを調整するために必要なミネラルであり、筋肉や神経の機能にも関与しています。
しかし、過剰な摂取は高血圧や心臓病の原因となるため、摂取量には注意が必要です。
鉄は、血液中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンなどに含まれるミネラルであり、酸素運搬や筋肉の機能に関与しています。
不足すると貧血のリスクが高まります。
微量ミネラルの亜鉛やセレン、銅などは、免疫機能や抗酸化作用に関与しています。
ミネラルは、体内で生成できないため、食品から摂取する必要があります。
ただ、必要とする微量元素(微量ミネラル)の一部は食品からの摂取だけでは不十分なことがあります。
そのため、サプリメントや飲料水などからの補給が必要になる場合があります。
しかし、過剰摂取には注意が必要です。ミネラルは、バランスよく摂取することが大切です。
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キタム洞窟は、ウガンダとケニアの国境に位置するエルゴン山(4,321m)にある洞窟です。
この洞窟は約3,000メートルの高地に位置しています。
ゾウたちは、富士山の八合目ほどの高さにある洞窟まで、わざわざ登ってくる理由は?
ゾウたちが必要とするミネラルを補給するためなのです。
洞窟の岩や土壌には、ゾウたちが必要とするミネラルが豊富に含まれていると考えられています。
ゾウたちが食べる、草には塩分が含まれていないため、高地にあるキタム洞窟の土を食べてミネラルを補給し健康を維持しているのです。
ゾウたちの行動は、彼らの生存戦略の一環と考えられています。
地球に住む動物や植物にとってミネラルは必須の栄養素なのです。
ミネラル | 不足した時の体調 | 多く含む食材 |
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カルシウム(Ca) | 骨粗鬆症、歯の欠損、筋肉のけいれん、心臓の機能障害 | ●乳製品:牛乳、ヨーグルト、チーズ。特に、低脂肪の乳製品は、他の栄養素とともに、健康的な食生活に欠かせないものです。 ●緑黄色野菜:ほうれん草、小松菜、青菜などの緑黄色野菜には、カルシウムだけでなく、ビタミンKやマグネシウムなども含まれています。 ●魚介類:カニ、エビ、貝などの魚介類には、カルシウムが豊富に含まれています。また、骨まで一緒に調理することで、より多くのカルシウムを摂取することができます。 ●豆類:大豆、白インゲン豆、ひよこ豆、 ●堅果類:アーモンド、くるみ、ピスタチオ ★カルシウムの過剰摂取は健康に悪影響を及ぼすことがあるため、適量を守るようにしましょう。 |
リン(P) | 骨の形成障害、貧血、食欲不振、脱力感、骨軟化症 | ●肉類や魚介類:鶏肉、豚肉、牛肉、牛レバー、ウナギ、サバ、イワシ、ツナ、エビ、カニ、貝類 ●乳製品:牛乳、チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム ●穀類や豆類:大豆、レンズ豆、ひよこ豆、小麦粉、ライ麦粉、オートミール、玄米、全粒粉パン、全粒粉シリアル、全粒粉パスタ ●その他:卵、ナッツ、種子、イカスミ ★リンは過剰に摂取するとカルシウムの吸収を妨げ、骨粗鬆症や腎臓疾患を引き起こすことがあります。一般的に成人の場合、1日あたり700mg程度を目安に摂取することが推奨されています。過剰な摂取を防ぐためにも、バランスの良い食事を心がけることが大切です。 |
硫黄(S) | カルシウム欠乏症、腸内細菌叢の乱れ、肝臓や腎臓などの解毒作用に必要 | ●卵:卵白や卵黄に含まれるたんぱく質に硫黄が多く含まれています。 ●ニンニク:硫化アリルという成分が豊富に含まれており、健康効果も高く注目されています。 ●タマネギ:硫化アリル、シス-スルフィドといった成分が含まれており、健康効果も期待されています。 ●キャベツ:アリルイソチオシアネートという成分が豊富に含まれています。 ●ブロッコリー:グルコシノレートという成分が含まれ、がん予防効果があるとされています。 ケール:硫化アリル、グルコシノレート、シス-スルフィドなどの成分が含まれ、健康効果が期待されています。 硫黄は必要量を超えると、肝臓や腎臓に体内に不要な代謝物質を蓄積する可能性があるため、適量を摂取するようにしましょう。 |
カリウム(K) | 筋肉の弱さ、動悸、高血圧、疲労感、便秘 | ●野菜:サツマイモ、じゃがいも、にんじん、ほうれん草、かぼちゃ、トマト ●果物:バナナ、オレンジ、スイカ、キウイフルーツ、アボカド。 ●豆類:大豆、豆腐、納豆、レンズ豆、ひよこ豆。 ●魚介類:鮭、鰹、サバなどの青魚や、ホタテ、アサリなどの貝類。 ●乳製品:牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品。 ★カリウムが多く含まれる食品を過剰に摂取すると、高カリウム血症という症状が起こることがあります。高カリウム血症は、筋肉の弱さや不整脈などの症状を引き起こすことがあるため、摂りすぎには注意が必要です。カリウムを多く含む食品を摂取する場合は、適切な量を守り、バランスの良い食生活を心がけることが大切です。 |
ナトリウム(Na) | 脱力感、食欲不振、けいれん、低血圧 | ●塩加工食品:塩漬け、塩燻製、塩辛、缶詰などの加工食品。 ●スナック菓子:ポテトチップス、プレッツェル、スナック菓子。 ●加工肉:ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉製品。 ●缶詰食品:スープ、シチュー、野菜、肉類などの缶詰食品。 過剰に摂取することは健康に悪影響を及ぼすことがあるため、注意が必要です。健康的な食生活を維持するためには、過剰なナトリウムの摂取を避けるよう心がけ、調味料として塩の代わりにハーブやスパイスを使う、自炊をする、加工食品を減らすなどの方法が効果的です。 |
塩素(Cl) | 消化不良、低血圧、脱力感、けいれん | 塩素を多く含む食品はありませんが、塩素は一般的に食品に添加される食塩(塩化ナトリウム)に含まれています。 ●塩漬けの食品:塩漬けの魚や漬物、梅干し。 ●調味料:醤油や味噌、ソースなどの調味料。 ●スナック菓子:ポテトチップスや枝豆、せんべいなどのスナック菓子。 ●加工食品:レトルト食品や冷凍食品などの加工食品。 ★ただし、過剰な食塩摂取は高血圧や心臓病、腎臓病などのリスクを高めることがあるため、塩分の摂りすぎには注意が必要です。塩分の過剰摂取を防ぐためには、加工食品やスナック菓子の摂取を控え、調味料の使用量を減らすことが有効です。 |
マグネシウム(Mg) | 不眠症、筋肉の痙攣、倦怠感、頭痛、高血圧 | ●ナッツや種子:アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、クルミ、マカダミアナッツ、カボチャの種、ヒマワリの種 ●豆類:黒豆、リンゴマメ、ガルバンゾ豆、枝豆、インゲン豆、エダマメ ●野菜:ホウレンソウ、アボカド、トウモロコシ、ジャガイモ、スピナッチ、サツマイモ ●魚介類:マグロ、サバ、エビ、カニ、アサリ、イワシ ●ダークチョコレート:70%以上のカカオ含有量のもの |
鉄(Fe) | 貧血、疲労感、倦怠感、食欲不振 | ●赤身の肉:牛肉、豚肉、羊肉などの赤身には、ヘム鉄と呼ばれる吸収率の高い鉄が豊富に含まれています。 ●豆類:ひよこ豆、レンズ豆、アズキ豆、ソラマメなどの豆類には、非ヘム鉄が含まれています。非ヘム鉄は吸収率が低いため、ビタミンCやヘム鉄と一緒に摂ると、吸収率が上がります。 ●ほうれん草:非ヘム鉄が豊富に含まれています。また、ビタミンCも含まれているため、吸収率が高まります。 ●果物:いちご、キウイフルーツ、オレンジ、グアバなどの果物にもビタミンCが含まれています。これらの果物を食べることで、非ヘム鉄の吸収率が上がります。 ★鉄は体内に過剰に蓄積すると、鉄過剰症を引き起こす可能性があるため、適量を摂取するようにしましょう。また、食事だけでなく、鉄サプリメントなどの利用については、医師に相談することをおすすめします。 |
フッ素(F) | 歯の欠損、骨の脆弱化 | ●水:フッ素が含まれる天然水やミネラルウォーターを飲むことで、フッ素を摂取することができます。 ●緑茶:緑茶にはフッ素が含まれており、健康にもよいとされています。 ●魚介類:マグロ、鰹、あじ、鮭、えびなどの魚介類にはフッ素が含まれています。 ●野菜:春菊、小松菜、白菜、ブロッコリー、大根などの野菜にも少量のフッ素が含まれています。 ●歯磨き粉やうがい薬にもフッ素が含まれているため、定期的に歯磨きやうがいを行うことも、歯の健康にとって重要です。 ★ただし、フッ素を過剰に摂取するとフッ化物中毒を引き起こす恐れがあるため、適量を守って摂取するようにしましょう。 |
ケイ素(Si) | 骨粗鬆症、動脈硬化、肝臓の障害 | ●野菜:キュウリ、トマト、ニンジン、セロリ、パセリ、カリフラワー、ブロッコリー、ピーマン、ズッキーニ、レタス、スピナッチ、大根、キャベツ、●豆類、タマネギ ●果物:リンゴ、バナナ、キウイフルーツ、ブルーベリー、マンゴー、アボカド、オレンジ、グレープフルーツ、レモン ●穀物:オートミール、玄米、全粒粉パン、全粒粉シリアル、全粒粉パスタ、ライ麦パン ●ナッツ:アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ、クルミ、ブラジルナッツ ★ケイ素の含有量は、土壌中のケイ素濃度や食品の加工方法などによって異なります。加熱や加工処理によってケイ素が失われる場合があるため、できるだけ新鮮で生の状態の食品を選ぶことがおすすめです。 |
亜鉛(Zn) | 免疫機能の低下、傷の治りが悪い、眼の障害、嗅覚・味覚の低下、発育遅滞、性機能の低下 | ●牛肉・豚肉・鶏肉、●貝類(カキ、ムール貝など)、●ナッツ類(アーモンド、カシューナッツなど)、●豆類ごま・大豆、●乳製品(チーズ、ヨーグルトなど)、●穀類(オートミール、全粒粉パンなど) |
ミネラル・鉄(Fe)を多く含むあさりのボンゴレ。
ミネラル・亜鉛(Zn)を多く含む牡蠣。
ミネラルを多く含む野菜類。